39歳の備忘録的日記

39歳の男の思ったこと感じたこと

失われていく建物 横浜アカデミービル

前回のブログで閉店するカフェを勝手ながら書かせていただいた。このカフェには結局、一度も利用することが出来なかったのだが、やはり利用したいという気持ちがあり、昨日は店舗周辺を散策してしまった。

世の中の全てのものは、いずれ無くなる。わかっていても寂しいと感じるし、予告なく無くなるものも少なくない。

タイトルの横浜アカデミービルだが、鶴屋町の交差点近くにある古いビルだ。正式な名前はわからない。このビル、私が小学生の時にアカデミーという塾に通っていたから築30年は経っている。一階部分の店舗は入れ替わりがあり、ところどころ新しくはなっているが、着目すべきは地下と二階以降のフロアだ。

リノリウムの床に昭和の空気が流れる。

ものの例えではなく、本当に昭和の空気なのだ。古い材質と紙やインクの匂い、古い油などが混ざり合って独特の匂いがする。匂いだけではない。照明もLEDなどではなく、昔ながらの蛍光灯や裸電球に傘を被せたものもあった。

虫の知らせか、数ヶ月前に用もないのにこのビルに入った。一階部分は以前は塾の受付があったが、そこは格子戸で閉められており、奥は非常口の緑色の灯りがぼんやり光っているだけだった。エレベーターが稼働していたのでフロアを周ってみると、ほとんどのフロアが閉鎖されやはり真っ暗だった。屋上にも行ってみると、コンクリートが大きくひび割れ、雑草が生えていた。ここもしばらく人が立ち入った形跡はなさそうだった。地下のレストラン街は何店舗が細々と営業しており、染み付いたコーヒーの香りがフロアに広がっていた。

 

あの時、一緒に学んだ友達は今何をしているのだろう。独特な香りと共に、ふと昔を思い出す。