39歳の備忘録的日記

39歳の男の思ったこと感じたこと

失われた建物 アービル横浜 マーメイドラグーン

先日、関東甲信越の梅雨明けが発表された。6月中に梅雨明けが発表されるの初めてとのこと。連日、最高気温は30度を超えいよいよ夏といった感じだ。

 

夏となると、やはり海や山、プールなんかが風物詩だ。今回はそのプール、今はない巨大プールの話。

保土ヶ谷区の外れか、戸塚区なのか。明確な場所は定かではないが、かつてマーメイドラグーンという巨大なプールがあった。バブル真っ只中に作られたバブリーなプールだ。

辺鄙な場所にあるがそこが魅力だった。周りは緑に囲まれ、殆ど周囲の風景は見えなかった。エントランスからアプローチを抜けると一気に視界が広がる。すり鉢状の土地の下部にプールがあり、周りは芝生が青々としている。独自のラジオ番組が流れ、客からのリクエストで夏にふさわしい曲が流れる。ショップやレストランも少しだけあったが、どこも強気な価格だった。少し奥に行くと、山の傾斜を利用した巨大なウォータースライダーがあった。乗り場までは白い石のアプローチがあり、綺麗に整備されていた。大きな浮き輪に乗って二人でも滑れる、なかなかのクオリティだった。確か21時ごろまで営業しており、夜になるとプールがライトアップして、とてもスタイリッシュだった。ぼんやりと点灯していた、普通の外灯すら、先進的に見えた。周囲の音は、わずかに聞こえる大人達の会話と虫の鳴き声。そして水の流れる音。まさにアーバンリゾートだった。

子どもの頃に連れて行ってもらった印象がとても強く、大人になってから行ってみた。設備は大きくアップグレードすることはなかったが、懐かしさと本来のポテンシャルの高さで、概ね満足出来た。

しかし、レジャー施設のアップグレードをしないということは、停滞を意味する。懐かしさは昔を知っている人間が感じることで、新たに来た客は施設の古さを感じるだろう。錆びたコインロッカーは前世紀のものだし、ドライヤーや水回りも古さが際立つものだった。オリジナルのラジオが流れるブースも、プレハブ小屋で時代に合ったものではなかった。極め付けは、金額設定だ。時間は無制限だが、入場料が確か4000円ぐらいしたと思う。バブル期はともかく、2000年代初頭にしては高すぎる。値段に見合った価値を見出すのはなかなか難しかったであろう。

上記の原因かどうかはわからないが、翌年には営業が停止。二度とプールに水が張られることなく、廃墟と化した。

 

あの夏、マーメイドラグーンに響いたケツメイシの『夏の思い出』は今でも忘れない。このロケーションの為に作られた曲ではないかと錯覚するほど、マッチしていた。休日の燦々と降り注ぐ太陽の光とむせ返るような暑さと芝生の濃い緑。夏の始まりを告げる最高の瞬間だった。

大人になったら、好きなだけここのプールで泳げると思っていたのに…残念。

夏が来る度に思い出す、懐かしい思い出だ。

 

 

 

インターネットで検索しても情報が少なく、当時の写真などもあまりない。素人のナルシストのおばちゃんがアップした水着画像がトップに出てしまうのが悲しい。