39歳の備忘録的日記

39歳の男の思ったこと感じたこと

夏のまとわりつくような暑さ

好きなものばかり書いてきたので、たまには嫌いなものを。

 

二年前の夏。とある飲食店で働いていた。友人からの紹介で、キッチン業務にあたっていた。

飲食業経験は短くないが、キッチンに立つという経験は皆無で、慣れない業務と職場で日々莫大なストレスを感じていた。

完全週休二日、賞与も年二回、給料も前職より跳ね上がるという条件のもと入社したが、とても辛かった。金銭的な条件では問題なかったが、休憩がほとんどなく、朝から晩まで文字通り働いていた。なによりストレスだったのが時間に追われるということだ。

経験者ならわかるかもしれないが、仕込みにまず追われるのだ。何時までにこれを終わらせて次はあれを何時までに…といった感じで延々と続く。 そうこうしてるうちにランチの営業が始まり、洗い場兼業の私はてんてこ舞いになった。洗い場の洗い物はなにも客席からだけではない。キッチンからもわんさか来るのだ。バングラデシュ人が働いていたが、ドカドカと遠慮なくニヤニヤ笑いながら大量に洗い物を持って来る様は、今思い出しても腹が立つ。

ランチ営業が終わればまた仕込みの時間だ。そしてまた夜の営業が始まり、翌日のランチの仕込みをする…私にとってあの職場は賽の河原となんら変わらなかった。

次の日が休日の夜、一人ビールを飲みながら、そうそうに転職サイトを閲覧した。この仕事を定年までやるってのか?クソ喰らえだ。そう思いながら一人の夜は更けていった。

夏のまとわりつくような暑さが、イライラに拍車をかける。飲食業なのに出勤時にスーツを着なくてはいけないという、ルールがあった。

シャツが汗でベトベトする。夜なのに蝉が鳴いている。バカ騒ぎをする学生。

クソというネガティヴなワードしか出てこない。

 

結局、三ヶ月持たずして退職してしまった。

後悔は全くしていないし、幸い今の職場は休日、給料共に満足がいく超ホワイトだ。

先日、その職場を紹介してくれた友人から連絡があり、どうやら友人も退職を考えているらしい。その日の夜は、初夏にもかかわらず、真夏を思わせるまとわりつくような暑さを感じる日だった。