ドラゴンクエストが好きだ。
大好き。の気持ちぐらいはあるが、プレイしていないシリーズもあるし、おれよりドラクエに詳しい、そして愛する人間はかなりの数が存在すると思われる。故に一般からすると「好き」レベルであろう。
ドラゴンクエストⅢ。
発売当時は小学生だった。朝のニュースでドラクエⅢを買うのに大人が並んでいた映像はかなり衝撃的だった。ゲームは子供だけがやるものだと思っていたからだ。恐喝事件なども起きて、このゲームが社会的に認知されるきっかけともなったであろう出来事だ。
社会的なブームになったこのゲームにおれはどっぷりハマった。
ゲームのシステムはもちろんそうだが、雰囲気、そして音楽がズバリハマったのだ。
スーパーファミコン以降は昼と夜の街の音楽はそれぞれ別のバージョンが用意されている。それは雰囲気があり、昼は活動的な印象を受けるし、夜はトーンが落ち着いたアレンジが成されている。グラフィック技術の向上も手伝って、よりドラクエⅢの明確な雰囲気を味わえるであろう。
また、すごろくというミニゲームも追加され冒険を有利に進められるアイテムが手に入れることが出来、金策に苦しむことなくゲームを進めることが出来る。
そんな色々な面で進化したリメイクを見せてくれたドラクエⅢだが、おれはやっぱりオリジナルのファミコン版が好きなのだ。
ドット絵で描かれた小さくて大きい世界。そこに住む人々は、お決まりの定型文しか話さない。だからこそ、子供ながらに無限のイマジネーションを広げることが出来た。こいつはなんで村はずれにいて、なんでこんなことを話すんだろう…とかこの人はどうやって生活が成り立っているんだろう…など色々と想像を膨らませた。中でも印象に残っているのが、昼に話しかけると『私は夜になるのを待っています』と話し、夜に話しかけると『私は朝になるのを待っています』という人物だ。ファミコンは容量との戦いだったと聞くが、なぜこのようなことを喋る人物がいるのか、子供ながらに考えさせられたものだ。
今はプレイする時間もないので、もっぱらBGMを聴いている。子どもの頃、遊んでいた場所で聴くと、勇者に少しだけ戻ることが出来るのだ。