39歳の備忘録的日記

39歳の男の思ったこと感じたこと

見晴らしの良い場所というカフェ

家の近所にいつからオープンしていたのか、見晴らしの良い場所という名のカフェがある。

決してその店のロケーションは見晴らしの良い場所ではない。そもそも見晴らしという言葉は、遠くまで見えるとか、展望が良いという意味だ。高台に位置するわけでなく、むしろ低地にある。

大きなお世話だが、この場所で商売が成り立つのかなと勝手に思っていた。何か大きな目玉がないと継続は難しいであろうと。売り上げ見込みから収支のバランスが悪すぎると、勝手に予想したが…

ただ、おれにはそのロケーションが魅力的だった。すぐ近くに小学校があり、店の目の前は公園だ。おそらく、天気の良い午前中などはさぞかし、ゆるりとした時間が流れているであろう。 チャイムが鳴り、少し遠くに子供達の声が聞こえる。ハトが電線の上で鳴き、窓を開けた民家からは掃除機の音やテレビの音も聞こえるかもしれない。地元のリアルな時間が見える。そういった意味では、見晴らしの良い場所というのはあながち間違ってはいないかもしれない。

先日、店の前を通ると閉店のお知らせが貼ってあった。きっと一年を持たずに閉店であろう。

あの場所は、おれのようなニッチなファンにしか受け入れられないだろう。閉店前に利用したかったが、既に一般の利用はできなくなっていた。利用はできなかったが、おれはきっと、きっとその店のファンなのだ。

なぜ、あの場所でカフェをやろうとしたのか。是非聞いてみたいものだ。