39歳の備忘録的日記

39歳の男の思ったこと感じたこと

Sという男

前回の記事にあったSという男。

この男のインパクトは相当大きく、退職して10年は経つがFacebookの件もあり、度々思い出す。思い出は美化されるが、正直振り返ってもあまり笑えない。当時は若さ故の僅かながらの反骨精神だったり、しかし反発できるほどのスキルも無く、この男が上司にいる環境にただただ流される毎日を過ごしていた。

前回も書いたが、とにかくデカい。身体がデカい。身体のパーツもデカい。人間としての器はデカくない。髪型はパーマをかけたリーゼント。目はギョロッとしていて濃い顔をしている。整髪料の匂いなのか、独特の香りをまとっていた。

 

Sは誰かの紹介で中途で入社してきたのだが、一番最初の印象も最悪だった。

出勤時間を少し過ぎてからノロノロとやってきたのだ。初出勤にもかかわらずだ。悪びれる様子もなく、我々に挨拶することもなく、かったるそうにホールに向かって行った。その姿勢になかなかの衝撃を受けたが、一日中態度は変わることなく終わった。

それからも態度の悪さは変わることはなかったが、機嫌がいいと話しかけてきて、自分より身体の小さい者に暴力を振るうようになった。おそらく彼なりのコミュニケーションのやり方であったが、大の大人がすることではない。そして、その暴力がとてつもなく痛いのだ。Sは次第に機嫌が悪くても暴力を振るうようになり、つまり日常的にバイオレンスが繰り返された。

Sのその舐め腐った態度の理由は、本人の自信にあった。Sは性格に難があるが、仕事はできた。客前では愛想はいいし、身体がデカいせいかよく通る声も悪くない。当時、聞いたことのないような難しい敬語を操り、上司すらも翻弄した。当時は28歳ぐらいとのことだったが、きっと私の28歳よりずっと仕事は出来ていただろう。

だからといって全てが許されるわけではない。私はやはりこの男は好きになれない。所謂、トラウマになったのだろう。もう10年以上前のことなのに、ごくたまに夢で見るのだ。目が醒める度に、夢で良かったと思う。

私はこいつが大嫌いだ。今もなお。