39歳の備忘録的日記

39歳の男の思ったこと感じたこと

飲食業のキツさ②

Rを退職した後、横浜の歴史ある中華レストランで働くことになった。Rの時のいい上司に引っ張られたのだ。腐った企業でも、それなりに話のわかるいい上司もいるのだ。

中華レストランHは、忙しい時もあったがRに比べてかなり平和だった。土日や祝日は大変だと感じたが、それほどではなかった。みんなのテンションが上がり、店を回すという楽しさがある週末だった。日付が変わる前にきちっと帰れるのも良かった。給料も高く、充実した毎日を過ごしていた。

 

しかし、ある男が来てから職場環境が一変する。その男、Oである。

外資系ホテルから中途で入ったその男は妙なカリスマ性がある男であった。私は全く、そりが合わなかったが、ある一部のスタッフ、そして一部の顧客を虜にした。知識やスキルはあるらしいが、実際にそれを見たことは私はなかった。ないまま終わった。

Oはこれでもかというほどの気分屋であった。私の中の信念で、機嫌で仕事をしない。というのがあるが、真逆の考えの持ち主だった。一度火がつくともう止められない。お客様の前だろうが、部下を怒鳴り散らす。直接ならまだしも、インカムを使って遠隔からの公開説教もあるので始末が悪い。近年の研究では、直接怒鳴られるとその後のパフォーマンスが4割以上低下するそうだ。加えてそれを見ていた人や聞いていた人も2割ほどパフォーマンスが低下するらしい。つまり、店を良くしようとしていたところを結果、自らの手でを悪くしていたのだ。

人間は恫喝され続けるとどうなるか。反発しようとする者、諦める者。そして何故か恫喝されたのに、好意を持ってしまう者もいるのだ。

私の為にあんなに叱ってくれる…なんて一生懸命で熱い人なんだ…とでも思うのだろうか。私は全く思わないが、中にはそういう勘違いをして一生ついて行きます!みたいな連中もいる。おめでたい人達だ。

恫喝する理由は、自分の思うように店が回ってなかったり、ホスピタリティが足りなかったりと理由はいろいろあるのだが、八つ当たりがほとんどで、それが嫌で辞めてしまうスタッフも少なくなかった。このO、仕事にひたむきなのかというとそうではない。店内に愛人を作ったり、社用車を自分好みに改造したりと、権力を使って悪さをしまくっていた。

そんなOも長年牛耳っていた店を追い出されるような形で退職するのだが、それはまた別の話。

 

次回はこのOの取り巻く環境と有名老舗中華料理店の狂ったコンプライアンスについて書く予定です。